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「天使の恍惚」きょう二回観た。私の好きな映画ナンバー1である。次点はクリス・マイケルの「不思議なクミコ」。
地下革命組織「四季協会」のテロリスト(兵士)たちの、党派の論理の中で締め付けられながらも自己の革命論に忠実に生きる若者たちを活写した名作中の名作だ。主人公の吉沢健扮する「十月」(組織名)は米軍からダイナマイトを略取した際に目に負傷を負い盲目となった。この時代のテロリストはある意味皆盲目のテロリストだったのだ。六十年安保で挫折した次の世代の逃走、戦争。武器を「四季協会」の「二月」一味に奪われ、十月が組織した「秋」は丸腰同然だった。が、革命に対する意思は強固なもので、その後次々とテロ活動をお越し、国家権力とぶつかっていった。

私が高校生の頃に属していた「戦旗共産同(ブンド系)にも1987年であるにもかかわらず、組織の残党を主軸に革命の兵士たちが都内で蠢いていた。やつらは「革命」がホントに実現することを信じていたふしもあるが、たぶん半信半疑に自分たちの行為の正当性を、自らに納得させていかなければおさまりがつかなかった輩だ。

高田馬場の「白ゆり」という喫茶店で毎週勉強会が行われた。機関紙の購読料をせびられたが私は「金がない」の一言で、シラを切りとおしていた。半年も勉強会に参加してると、件中の論理が宇宙的法則からも逸脱している感があり、私は暇をもらって日本一周旅行にでかけた。

当時は中曽根内閣で、成田空港の4000メートル滑走路計画、国鉄の分割民営化、売上税の導入などいろいろニュースが散在していた。わたしも高校で孤軍奮闘で活動していたが、校門に大きなビラを張り付けてもすぐに撤去されてしまう。仲間も同志と呼べるようなヤツがいなくて、一人逼塞していた。「戦旗」の論理と「私の行動原理」には永遠に合流しない深淵のようなものがあり、「党派」からは足を洗った。

日本赤軍の塩見孝也さんに質問したことがあるが、「先生はいつから右翼になったんですか?」と私の問いには少々戸惑ったふうで、茶を濁していた。私は今「天皇制アナーキストの卵」である。孵化するかはわからない。